運営と経営。それぞれ似た意味を持つように感じますが、明確な違いがあります。
それは「目的」です。
では、運営と経営ではそれぞれどんな目的があるのか、どんな違いがあるのでしょうか。具体例をあげながら簡単にわかりやすくご説明します。
どちらも組織を動かすことには変わりありませんが、目的が違うということを知っておきましょう。
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運営と経営の違い、ビジネスに置いての運営の目的とは
運営と経営の違いとは、一体何なのでしょうか。
その事を考えるとき、運営する目的を明確にすることが大切です。
まずは運営の意味を見てみましょう。
うん‐えい【運営】
[名](スル)団体などの機能を発揮させることができるように、組織をまとめて動かしていくこと。「大会を運営する」「運営委員会」
引用サイト:コトバンク「デジタル大辞泉」
引用URL:https://kotobank.jp/word/%E9%81%8B%E5%96%B6-442507
要するに意味の中から、ビジネス的要素を感じることが出来るでしょうか。また収入や利益に関わるイメージはありますか。
要するに、運営をする目的とは、ビジネス的に収入や利益を得ることでは無いのです。
ですから大会を運営するという言葉を使うとき、その大会は、営利目的ではないことが伺えます。
もし、そこに金銭が発生するのであれば、その金銭は資金と言うべきでしょう。その資金を上手に運用して、その組織や仕事をいかに機能的に動かし、目的を達成していくか、それが運営の目的ともいうべきではないでしょうか。
一方で経営は運営とどんな違いがあるのか、経営の目的
運営と経営の違いを考えるとき、勿論、経営の目的も理解する必要が出てきます。
では、経営の目的とは何なのか、経営とは何なのかを考えるとき、事業という存在がとても大切になってくるでしょう。
では、経営の意味を見てみましょう。
けい‐えい【経営】
[名](スル)
1 事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。また、そのための組織体。「会社を経営する」
2 政治や公的な行事などについて、その運営を計画し実行すること。「国家の経営」
3 測量して、建物をつくること。
「十兵衛が辛苦―むなしからで、感応寺生雲塔いよいよ物の見事に出来上り」〈露伴・五重塔〉
4 物事の準備や人の接待などにつとめはげむこと。けいめい。
「湯を沸(わ)かすやら、粥(かゆ)を煮るやら、いろいろ―してくれたそうでございます」〈芥川・運〉
5 急ぎあわてること。けいめい。
「早朝告げあり。―参入す」〈小右記・長保元年一一月〉
引用サイト:コトバンク「デジタル大辞泉」
引用URL:https://kotobank.jp/word/%E7%B5%8C%E5%96%B6-488161
ここで、一番関係してくるのが、1の意味です。この1の意味を理解する上で、事業とは何なのかについても知る必要があるでしょう。
事業の意味も見てみましょう。
じ‐ぎょう〔‐ゲフ〕【事業】
1 生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・商店などを経営する仕事。「事業に手を出す」
2 大きく社会に貢献するような仕事。「宇宙開発事業」「慈善事業」
引用サイト:コトバンク「デジタル大辞泉」
引用URL:https://kotobank.jp/word/%E4%BA%8B%E6%A5%AD-503337
要するに、営利目的で会社を動かすということ、会社が世の中に存在しその会社に価値をもたせる、その事が経営においては重要になってくるということです。
運営と経営では目的に違いがあり、達成すべきは利益を上げることである
運営と経営の目的の違いは何なのかを説明させてもらいました。運営と経営。会社が上手くいくためにはどちらも大切です。片方だけでは、結局上手く行きません。
会社を運営する目的とは、その組織を上手く動かして達成するものです。
それは何なのかといえば、会社それぞれで違いますが、基本的には売上を上げるというではないでしょうか。売上を上げるために、人を動かし、資金を使う、その結果、経営が成り立っていくのです。
では経営の目的とは何なのでしょう。会社を運営して達成するもの、それは収益に当たります。
運営がうまくいくことで会社が成り立ち、そこに売上が発生します。しかし、売上があっても収益がなければ、会社は存続できません。潰れてしまいます。
その会社が潰れない様にするためには、得る必要があるもの、それが利益なのです。
運営があるからこそ、経営があるのです。
運営と経営の違いを具体例を交えて解説すると…
まだ、何となくピンときていない人もいるかもしれませんので、運営と経営の違いを具体例を2つ上げて説明したいと思います。
学校の運営と経営
例えば、学校を経営すると考えてみましょう。経営するということは、収益目的ということになります。
学校の運営の目的とは何なのでしょうか。
先生がしっかりと生徒に教育する環境を作ること、それは運営の目標といえます。そのために、校長が職員の先生達に対して、教育したり、指導したりすることもあるでしょう。
では、経営の目的とは何でしょう。学校であれば、多くの生徒から授業料を受け取り、その結果収益を得ることができます。生徒が集まるためには、良い授業内容、良い先生などが必要となってきます。運営をすることで、経営が成り立ちます。
お店の運営と経営(チェーン店の場合)
チェーン店のお店の場合を考えると、店舗を運営するのはお店の店長になります。売上を上げるためには、店舗従業員をいかに上手く動かしまとめていくかが重要です。
ただし、この店舗の売上に対する収益目標を決めるのは、本社になります。要するに経営管理をしていくのは、お店ではなく、本社になるのです。
ただし、収益を上げるためには、店舗従業員にも収益の大切さを感じ取ってもらわなければなりません。店長はその橋渡し的存在でもあるのです。
チェーン店のお店の店長は、お店を運営しながら、本社が経営する目的を常に意識しなければならないのです。
運営はマネージャーがポイントになるため、経営者は冷静に部下の能力を見極めることが大切
先ほど、店長がその運営と経営の橋渡し的存在になるとお伝えしました。
しかし、大抵の場合は、店舗と本社の間に、エリアマネージャーのような立場の人が存在します。
店長は基本的にお店の運営管理が仕事です。
そこでマネージャーの出番です。店舗を運営する店長に対して、本社は方向性を理解してもらう必要があります。その方向性が上手く伝わらなければ、経営は上手く行きません。
店舗の運営がせっかく店長の力で上手く言っていたとしても、それが本社の経営方針と異なっていては、収益にはつながってきません。
収益に上手くつなげるためには、本社のトップである経営者は冷静に部下の能力を見極め、組織を構築してかなければなりません。
部下を育てるだけで、その部下が実際に成果を出せるかどうかは別なのです。経営者は、部下の誰がマネージャーに適しているののか、具体的にはどうするべきなのかを理解する能力を兼ね備えているのかを見極める必要があります。
また、それの考えを店舗に納得してもらい普及させていく必要があります。そのためにも、店舗からの信頼を得られる人でなければなりません。指示ができればそれでいいというわけではないのです。
このことが言えるのは、お店の経営に対してだけではありません。
通常の会社経営に対しても同様です。運営と経営の違いをしっかりと理解し、その橋渡しをするべき役割の人がとても重要になってきます。
部下に目標を与え、それをしっかりと評価する、それが運営と経営の橋渡しをするマネージャーとも言うべき人の立場なのです。そのマネージャーをいかに上手に動かしていくかは、また会社のトップの人の力にかかってきます。それが運営なのです。
ビジネス成功の鍵は、運営と経営の両方を意識すること。しっかりと収益を得るためのキーポイントとなってきます。